音を止めるのではなく、包み込む。「小声×空間」でオフィス騒音を劇的に変えた新しい防音のスタイルが生まれるまで!

●壁を厚くしても解決しなかった「オフィスの音問題」
WEB会議が日常化し、オープンオフィスで「声の音漏れ」に悩む企業が増えています。従来の防音対策といえば、遮音材で密閉空間を作るか、分厚いパーテーションで音を遮ることが一般的でした。
しかし、オフィス家具メーカーとして向き合ってきたのは、単なる物理的な遮断ではありません。「本当に集中できる環境とは何か」「周りを気にせず話せる空間とはどんなものか」という問いです。
その答えとして生まれたのが、当社の特許技術AURAL SONIC(オーラルソニック)を活用した全く新しい防音のアプローチ――「小声で話せば、音は漏れない」という逆転の発想でした。
●従来の防音壁が抱えていた限界
防音対策の相談を受ける中で、多くの担当者様からこのような声をいただいていました。
- 「個室ブースを導入したが、中で話すと声が反響して聞き取りづらい」
- 「完全に塞ぐと圧迫感があり、長時間作業すると疲れてしまう」
- 「設置コストが高く、オフィスのレイアウト変更に対応できない」
音を完全に遮断しようとすればするほど、空間は閉鎖的になり、コストも跳ね上がります。さらに、部屋の中で跳ね返った音が「自分の声を大きくさせる」という悪循環が起きていました。人は自分の声が反響して聞き取りにくいと、無意識のうちに大きな声で話してしまう心理的メカニズムがあるからです。
●特許技術「AURAL SONIC」を使うことによって得られる効果
当社が保有する特許技術AURAL SONICは、独自の多孔質構造と音響設計により、特定の周波数帯の音を効率的に吸収・散乱させる技術です。
当初は、音楽ホールや高音質な「音響調整材」として研究が進められていました。しかし、あるふと気づいたのです。
「このパネルに囲まれていると、大きな声を出す必要がないな」
AURAL SONICのパネルに囲まれた空間に立つと、自分の声の余計な反響が綺麗に吸収され、自分の耳にクリアに届くのです。そのため、普段の半分ほどの声量(小声)で話しても、対向にいる相手にはっきりと声が伝わることがわかりました。
ここから、ひとつのアイデアが閃きました。
「音漏れを防ぐために壁を強くするのではない。『小さな声でも十分に会話が成立する空間』を作れば、外へ漏れる音そのものを劇的に減らせるのではないか?」
●「小声で話せば音漏れは防げる」という逆転の発想
物理的に音を外に出さないアプローチ(遮音)は、エネルギーの力押しです。しかし、発生源である「声の大きさ」そのものを小さくコントロールできれば、大掛かりな遮音設備は不要になります。
このコンセプトを具現化するため、プロトタイプを開発し研究した結果以下のことが判明しました。
- 自声音のクリア化(吸音・調音) AURAL SONICのパネルが不要な一次反射音を素早く吸収。話し手は自分の声が耳にすっと入るため、無意識に声を張り上げる必要がなくなる。
- 明瞭度の向上(小声の可聴化) 声の帯域(特に人間の声の明瞭度に関わる周波数)を整えることで、ささやき声に近い音量でもマイクや相手の耳に届きやすくなる。
- 周囲への減衰(低騒音化) もともと小声で発声されているため、ブースの外に漏れ出る音圧エネルギー自体が極めて小さくなり、結果として、完全密閉しなくても周囲には会話内容が聞こえないレベルまで音漏れを低減することができる。
「遮断する」のではなく「自然と小声にさせる」。この発想の転換によって、天井を開放したセミクローズドタイプでも高い防音効果を発揮する、新しいタイプのオフィス家具が誕生しました。
●試行錯誤と実証実験
概念はシンプルですが、実際の製品化には多くのハードルがありました。
「本当に人間は、空間によって無意識に声を小さくするのか?」という点の実証です。社内の会議室やオープンエリアにプロトタイプを設置し、社員にWeb会議や電話を行ってもらいました。
初期のテストでは、「防音空間=声を張る場所」という先入観から、どうしても大きな声で話してしまうユーザーが多く見られましたが、小さな声でもコミュニケーションが取れるとわかると、結果として約9割が「自然とトーンが落ち着き、小さな声で話すようになった」と回答。騒音計を用いた測定でも、従来のオープン空間と比較して外へ漏れる音圧が大幅に低下することが実証されたのです。
●オフィスの「音の自由」を取り戻す
こうして誕生したAURAL SONIC搭載のWEBブースは、単に音漏れを防ぐだけでなく、オフィスで働く人々に「安心感」をもたらしました。
- 「周りに気を使わずに機密性の高いWEB会議ができるようになった」
- 「圧迫感がないので、長時間の集中作業でも頭が重くならない」
- 「大掛かりな施工工事なしで、手軽に集中スペースを増設できた」
音漏れを気にしてコソコソ話すのではなく、穏やかな小声で快適にコミュニケーションが取れる環境。それこそが、私たちが提案したかった新しいオフィスの姿です。
まとめ:ものづくりメーカーとして届ける空間価値
当社のものづくりは、単に「木や金属を加工して家具を作る」ことではありません。働く人が抱える小さなストレスや違和感に耳を傾け、技術とアイデアでそれを解決することです。
特許技術AURAL SONICから生まれた「小声防音」のストーリーは、私たちの製品開発の姿勢を象徴しています。発想を少し変えるだけで、オフィスはもっと自由で、もっと心地よい場所に変わります。
「音問題」にお悩みのオフィスがありましたら、ぜひ一度、当社のAURAL SONICが作り出す「やさしい静けさ」を体感してみてください。